CLUB100

TRAININGトレーニング紹介

  • ストレッチの効果と必要性

    ここ数年、ストレッチに対する関心は急速に高まってきています。ある種のブームと言っても過言ではありません。ストレッチは、手軽に楽に行える健康法であり、多くの人が日常生活の中に習慣として取り入れるようになってきているのは大変喜ばしいことです。
    体の柔軟性は人それぞれ。他人の体の柔軟性を経験することは不可能ですが、もしも柔軟性の低い体の人が、柔軟性の高い体に入れ替われたら、同じ人間の体とは思えないくらい楽に感じるとも言われています。
    「こんなに体が軽いんだ!」
    「こんなに腰が楽なんだ!」
    動作一つ一つに驚き、感動を覚えることでしょう。体が楽になれば、積極的に外出するでしょうし、仕事の効率も飛躍的に上がるかもしれません。そんな、定着した感のあるストレッチではありますが、人の体の柔軟性が上がる仕組みについて、意外と誤解をされている方が多いように思います。多くの方は、筋肉はゴムのように伸縮するものだと考えています。ストレッチをして筋肉を引っ張れば伸びる、というイメージです。でも実際には、筋肉がゴムのように伸び縮みすることはありません。筋肉は、どちらかというとロープに近いものです。ロープを引っ張っても伸びませんが、新たなロープを結びつければ長くなります。ストレッチの目的は、筋肉を引っ張って伸ばすことではなく、筋肉を追加して長くすることにあります。筋肉は、筋節という最小単位を一つ一つチェーンのように繋ぎ合わせた筋線維、それの集合体です。筋節の数が増えれば筋肉は長くなり、関節の可動域が広がって柔軟性が増すというわけです。筋節の数を増やすには、毎日継続的にストレッチを行って、細胞分裂を起こし続けるしか方法はありません。
    ところで、ストレッチにダイエット効果はあるのでしょうか?
    残念ながら、ストレッチという行為自体で消費するカロリーは、ゴミ出しと同程度と表現されるほどに微量であり、脂肪燃焼効果があるとは言い難いのが現状です。また、人の体脂肪が燃焼するためには、リパーゼという酵素が必要です。有酸素運動などでは、リパーゼの分泌が活性化されますが、残念ながら、ストレッチではその効果は確認されていません。つまり、ストレッチをすれば痩せやすいという、直接的な因果関係は証明できないということです。
    ただし、ストレッチをすれば疲労から回復しやすいということは言えます。筋肉が短い状態で動いていると、筋肉は緊張状態が続くので疲れやすくなります。一方で、筋肉が適正な長さになると、筋肉の緊張している時間が短くなり、疲れにくいのです。柔軟性の低い人が、一生懸命ウォーキングをしたら、次の日まで疲れが残り、積極的にまた歩こうとは思わないでしょう。しかし、柔軟性が高い人ならば、次の日にはすっきりと体が楽になっていて、「またアクティブに一日を過ごそう!」という気持ちが起こりやすくなると考えられます。そういった意味で、間接的には「ストレッチをすれば痩せやすくなる」と言えそうです。
    また、「脚のストレッチをすれば、脚の皮下脂肪が落ちやすくなる」といった類の理論もよく目にしますが、それらにもかなり無理があります。体脂肪が燃焼する際は、全身の体脂肪が万遍なく使われ、特定の部位の脂肪を狙い撃ちにすることはできないからです。
    最後に一つ、柔軟性は高ければ高いほど良いというわけではありません。過剰に柔軟性が高い人は、年齢とともに筋肉のサポーターが衰えてくると、今度は関節が緩みやすいという問題が起きてきます。そうすると、股関節や膝の痛みを抱える可能性などが生じてきてしまいます。柔軟性の高い人は、ストレッチよりも筋力トレーニングを行い、筋肉のサポーターの衰えを食い止めることを優先させた方が良い場合もある、ということも頭の片隅に置いておいた方が良いかもしれません。
    担当トレーナー
    中野ジェームズ修一
    栗城徳識
    関守
    古谷有騎
    吉澤和宏
  • 筋トレは最強のアンチエイジング

    私たちの体の筋肉量は、積極的な運動を取り入れない普通の生活を続けていると、20代をピークに年間約1%ずつ減っていくという事実をご存知でしょうか? 筋肉が減るということはイコール基礎代謝が減って、エネルギーを消費しにくい体になるということ。同じような食生活を続けるだけで、どんどん脂肪が蓄積されていってしまいます。せっかく有酸素運運動を始めたとしても、その効果性すらダウンしてしまいます。
    ちなみに減少する大半は下半身の筋肉で、上半身の筋肉量の加齢による減少はほとんどありません。そのような観点から、下半身の筋力トレーニングを行って筋肉量の減少を食い止めることは、最強のアンチエイジングと言えるのではないでしょうか。 
    「それよりも、白髪やシワ、たるみのほうを何とかして!!」というのが本音、という方も多いでしょう。実は、筋力トレーニングは、肌と髪の細胞の再生にも大きく関与していますます。
    肌や髪を含め、全身の細胞の再生は、食事と呼吸によって栄養と酸素が取り込まれ、血液を介して全身を巡ることでなされます。つまり、充分に栄養と酸素を取り込むことはもちろん、いかに体の隅々にまでそれらを運べるか、ということがとても重要な要素であると言えます。その役割を果たしているのが毛細血管です。毛細血管が多いほど、体の隅々まで細胞の再生が活発に行われるのです。しかし残念ながら、毛細血管の量もまた、20代をピークに徐々に減っていってしまいます。これが、髪や肌の老化の原因の一つです。ということは、毛細血管を増やすことがアンチエイジングに繋がるということです。その最も効率的な方法は、筋力トレーニングです。毛細血管は筋肉内にあるため、筋トレで筋肉量が増えれば、必然的に毛細血管は増えるからです。毛細血管が増えると、短時間で全身の細胞に酸素と栄養素が行き渡り、あらゆる細胞の新陳代謝が活発に行われるようになります。細胞自体が元気になるので、肌や髪はもちろん、体全体が元気で疲れにくくなります。 もう一つ、細胞の再生に大きく関わるのが「成長ホルモン」です。文字通り、人の成長に関わるホルモンで、肌の水分を保つ働きや皮膚細胞の再生、毛髪を作る大元の毛母細胞を活性化させる働きもあります。成長ホルモンも、残念ながら思春期をピークに分泌は減っていってしまいますが、こちらも筋トレで増やすことができます。
    担当トレーナー
    中野ジェームズ修一
    栗城徳識
    関守
    古谷有騎
    吉澤和宏
  • 腹筋運動でお腹は凹まない!?

    「ぽっこりお腹を凹ませたくて、腹筋をはじめました!!」果たしてそれは正しい方策なのでしょうか。
    メタボリックシンドロームという言葉が定着して久しいですが、その判断基準の一つに腹部周囲径基準、つまりへそ周りのサイズが男性だと85㎝以上、女性だと90㎝以上というものがあります。その理由は、肥満には内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満の2種類があり、メタボリックシンドロームの原因となるのは内臓脂肪型肥満の方だからです。お腹周りに脂肪が過剰につくと動脈硬化になる可能性が高く、糖尿病や高血圧症、高脂血症といった生命に関わる生活習慣病を併発しやすくなってしまうのです。男性に多い、いわゆるぽっこりお腹はこの内臓脂肪型肥満によるものです。この内臓脂肪型肥満、生活習慣病になりやすいというリスクはありますが、実は良い面(?)もあります。
    ぽっこりお腹を凹ませるには、まずはその内容物である内臓脂肪を減少させることが必須です。基本的に、脂肪を減少させるには摂取カロリーを減らし、有酸素運動をするしか方法はないのですが、有酸素運動を始めると、まず内臓脂肪がエネルギーとして使われて減少し、その後皮下脂肪がエネルギーとして使われるという性質があります。そのため、内臓脂肪型肥満の傾向が強い男性の方が、ダイエット開始直後から目に見えた効果を実感しやすいのです。一方、女性に多い皮下脂肪型肥満の場合、全身の皮下脂肪が万遍なく徐々に減っていくため、中々効果を実感しにくく、ダイエット成功にはより強いモチベーションが必要かもしれません。ですから男性の皆さんは「中々やる気が出なくってねぇ~」などと言っている場合ではありません。女性に失礼です!
    男女を問わず、効率よく脂肪を燃焼させるには一つのコツがあります。それは、筋肉量を増やし基礎代謝量をアップさせること、それも下半身の筋肉のような大きな筋肉を鍛えれば、飛躍的に基礎代謝量はアップし、脂肪の燃焼しやすい体になります。残念ながら、いわゆる腹筋運動(シットアップ)で鍛えられる腹直筋は、薄い膜のような小さな筋肉なので、筋肉量を増やすという観点からはあまり意味がありません。
    もう一つ、ぽっこりお腹を解消するのに有効な手段があります。
    実は「腹筋」という筋肉名は正式には存在しないのを皆さんはご存じでしょうか。正式には①腹直筋②外腹斜筋③内腹斜筋④腹横筋、これらを総称して腹筋群と言い、通常「腹筋」と呼ばれています。これらのうち腹横筋という筋肉は最も深層の部分にあり、内臓や内臓脂肪をぐるりと巻くコルセットのような構造、形状をしています。この筋肉を鍛えてあげれば、ぎゅっと締め付けるようにお腹を凹ませてくれるのです。この腹横筋はいわゆるインナーマッスルと呼ばれるもので、昨今話題の体幹トレーニング、コアトレーニングといった方法で鍛えることができますが、通常の腹筋運動では残念ながら鍛えることはほぼ不可能です。
    さて、腹筋運動ではぽっこりお腹を解消しないメカニズム、お分かりいただけたでしょうか?
    通常の腹筋運動で鍛えられるのは、表層にある腹直筋、俗にシックスパックと呼ばれる部分です。ここを鍛えても有酸素運動にもならなければ、基礎代謝もほとんどアップしなければ、お腹をぎゅっと締め付ける効果もありません。まずすべきは、賢く内容物を減らすことです。
    担当トレーナー
    関守
    古谷有騎
    吉澤和宏